STORY RECORD 03

第三話

収集者たち

第三話 収集者たち

幻想域の外縁。

綴目アオは、その断片を手の中に収めたまま、動かなかった。

軽い。

記録としての重さが、ほとんどない。

「……これ、集めていいのかな」

収集とは、流れを辿る行為だ。

どこから来たのか。

何に繋がるのか。

誰に属するのか。

だが──

この断片には、それがない。

「どこにも、繋がってない」

そのとき。

「……それ、まだ残ってる」

レイが現れる。

「消えかけてる。でも、消えてない」

アオは呟く。

「これ、記録じゃないよ」

レイは静かに言う。

「拾えないものは、消えない」

その瞬間。

断片が、増えた。

「……え?」

記録は増えない。

それがルールだった。

「でもこれは──増えてる」

レイは言う。

「これは、集められない」

「でも、消えない」

幻想域のどこかで、またひとつ。

記録に依らない存在が、生まれた。